大学時代、アルバイトで貯めたお金で好きなバイクを手に入れ、神戸や仙台など遠方までよくツーリングに行きました。行く先々で目にする美しい景色に感動しましたが、地元湘南の海岸線に帰ってくるといつも心がホッとしました。地元で働きたい気持ちが芽生え、幼い頃から馴染みのある当金庫を志望。何社か内定を取りましたが転勤がなく家から通えること、地元の経済に貢献したいという思いで入庫を決めました。7年間支店で融資業務を経験し、新設部署へ異動。今まであまり接点のなかった横浜市北部で日々新しい縁を感じながら渉外活動にいそしんでいます。
所属する新横浜法人サポートセンターは2024年度に新設された部署で、私は初期メンバーの一人です。横浜市北部(港北区・都筑区・青葉区・緑区など)には当金庫の支店がなく、取引先も少ないのですが、法人の営業圏を広げる目的で設置されました。組織は本部に属しますが、新横浜のオフィスを推進拠点に活動しています。この地域は都内へのアクセスが年々便利に進化し、港北ニュータウンやその周辺は横浜市屈指の都市整備地区として発展を続けています。多くの企業、商店、個人事業主が所在するエリアで、事業性融資を中心に新規開拓を行うのが私たちの任務。湘南しんきんの空白区を拓いていく新しいチャレンジです。
新部署への異動を知った時は正直驚きました。当金庫のイメージが薄い地域ですし、私自身湘南地区で生まれ育ち、横浜市南部の大学に通ったのでやや縁遠い印象でした。ただ自分のキャリアにとって貴重なチャンスを与えてもらったことに感謝し、日々奔走中です。
発展するエリアのため既存事業者のほとんどはメインバンクを持っています。地の利から神奈川だけでなく都内の金融機関も出入りが多いです。初動は湘南しんきんの名前と私の顔を覚えていただくところから始まります。当金庫の認知が低いからこそ初対面の印象がとても大事。営業時は金庫の看板を背負っている意識を忘れず、礼儀正しく丁寧な対応を心がけています。
当金庫は不動産業への融資や事業支援の実績が豊富ですが、このエリアは土地の整備開発が多く経験とノウハウを活かしやすい特性があると感じています。不動産分野のお客様や士業の方から営業先をご紹介いただくこともあり開拓の足がかりにしています。現状厳しい環境は否めませんが、少額の融資から取引を始めていただくお客様も徐々に増えており、走り出しの手応えは感じています。メンバー全員が力を合わせ近い将来この地域に新支店を開設できるくらいの実績をつくりたいです。
入庫から一貫して融資業務に携わってきました。個人のお客様対象の消費性融資、設備導入・運転資金や創業資金などの事業性融資も経験しましたが、どちらかといえばグイグイと前に出る営業ではなく、お困りごとをじっくりと聴いて、できるだけきめ細かく応えていくスタイルです。目指しているのはなんでも気軽に話せる相談相手。もちろん融資額の大きい取引を獲得するのも重要ですが、地域密着の信用金庫は、地域のお客様が抱えるお悩みや課題の解決を支え、小さなことでも助けになれることが存在意義として大きいと思います。
今、融資営業の競争が激しい地域で新規開拓を進める役割にありますが、原点は見失わずにいたいです。経営課題や資金ニーズをメインバンクに相談するのは当然ですが、規模の大きな金融機関にはできないこともきっとあるはず。小さな相談に応えていく積み重ねから確かな信頼へと育てていく地道な活動を続けていきます。
ときどき思うのは、「縁」の大切さです。ビジネスでは人脈やコネクションという言葉もありますが、縁を大事にすると絆が深まり、広がっていく感覚があります。きっかけは些細なことでもできることを尽くすのが縁の始まりで、そこから関係が続き、大きな仕事になることもあります。信用金庫はお客様と同じ地域で商売をしているわけですから縁でつながっています。どちらかが得をすればいいというのではダメで、共存共栄が前提。同じ地域の縁の深い仲間として、いつも相談できる湘南しんきんでありたいです。
会社の中に目を向けると多くの庫員は「自分が住む街、住む県=仕事の場所」です。地域への愛情と価値観を共有できる人と働いている安心感があります。誰かが困っていると声をかけ、一緒に悩み、背中を押してくれる人がたくさんいます。
最近は若い人の考えを積極的に取り入れようという空気の変化も感じます。柔軟性が増し、風通しがさらに良くなっている印象です。これから入庫される若い方は、のびのびと力を発揮しやすい環境ではないでしょうか。